老舗である豊四季旅館の一人娘にして、若女将。
慰安旅行で不在中の女将に代わり、旅館を切り盛りしている。
“完璧主義だが、せっかちさが玉に瑕” との評判。

性格は曖昧で、怠惰で虚無的。 町からもあまり出たことがない。
別に愛郷精神に富んでいるわけではなく、変化を恐れる臆病さが原因。

興味がないため、むしろどんなお客様でも公平に温かく出迎えられる。
それが温かい雰囲気として伝わるのは、生まれつきの物腰の柔らかさもあるが、
豊満すぎる身体と、面倒事をできるだけ避けたいという心根の現れでもある。

「あら、お客様、おはようございますー （誰でしたっけ……）」

大企業・沢渡グループの会長の一人娘。
性格は腹黒かつ狡猾だが、根は真っ正直。 あだ名は “ここみん”。
プライドが高く傷つけられると根に持つため、友だちが少ない。
成績優秀でスポーツ万能、料理が得意で気も利くのだが、その性格のせいで台無し。

将来のための修行として、この温泉街に建設した ホテル沢渡 を任されている。
経営の傾いた旅館を見つけるサーチ能力と、相手の弱点を見抜く眼力だけは一級。
ただし交渉能力に著しく問題があるため、肝心なところは部下任せになっている。

古さと格式の高さだけと馬鹿にしていた 豊四季旅館 だけは買収できず、現在は、そのリベンジ （イタズラ・迷惑行為） の真っ最中である。

「あら、おはよう！　なによ。なんで逃げるのよ…… 待ちなさいッ！」

里彩の学園・短大時代からの親友。
旅館への執拗なイタズラに頭を悩ませている里彩を応援するため、宿泊しにきた。
的確な助言ができるわけでもないが、相談に乗ることで親友の一助となっている。

おとなしい性格で常識に欠けるところがあり、頼りない部分もあるが、大事なモノは見失わない。
そのため、それを知っている友人からは信頼されている。

「もう、しょうが無いわねぇ。 朝までつきあったげるわよーぉ……」

心海の数少ない友人。 学園こそ違うが、ほぼ親友と言って良い存在。
美少女だが強烈な派手さはなく、才女の雰囲気を漂わせている。
他人や同級生を見下しがちの心海が、何一つ見下せなかった相手である。

そんな彼女だが、心海と一緒だと少し悪ノリしてしまう一面も……。
心海のイタズラに関しても否定的だが、つい加わりたくなってしまうこともある。
そしてそんな自分を、こっそり恥じている。

「もう、心海ったら、また……。 次は、怒られても知りませんよ!?」

心海の幼なじみ。 親同士も幼なじみのため、一緒に育てられたような関係。
お互いに何もかもを知る仲で、いつも友達の少ない心海の味方となってきた。

成績は悪くないし、本能と嗅覚だけで真実を見抜くセンスは心海も認めているが、
頭を使わない性分で行動がバカなので、結局は心海にバカにされている。

実家が旅館を経営しており、里彩が女将修行に来たこともある。
豊四季旅館の女将とも仲が良く、心海のイタズラに関しては中立的立場をとる。

「おはよう！ 伊織ちゃんだよ！　みんなの伊織ちゃんだYO!!」

主人公が、陸と海の間にあるという “謎の幻想湯” に辿り着いたことで出会った少女。
闇エルフの末娘で亡国の姫であり、逃亡中なのだと、特に慌てた様子もなく語る。

性格は脳天気で無邪気。
このちょっとした異世界小旅行を心置きなく楽しむ気でいる。

特技は短剣と闇魔法。 とりわけ、魔法技術と体術の融合技 “影技” が得意。
だが、今のところまったく使い道が無い。

「マジ!?　この世界って、魔法とか龍とかいないの!? 騎士とか……。 え、むしろ引くんだけど」

女将にビジネスを持ち掛けている女性。
落ち着いた雰囲気だが、苦労が多かったのか ふとした表情に陰がある。
まじめな性格なのか、ただのナンパであった主人公の質問にもちゃんと答えてくる。

「……こんにちは。 女将、昨日の続きを――」

いつの頃からか旅館で働いている仲居さん。
仲居なのにメイド服なのは、女将の差配ということで誰も何も言わない。 言えない。
極めて有能で万能なのも、文句を言われない理由の一つである。

クールだが意外に熱いところもあり、一筋縄ではいかない性格。
たまに客を客と思わない言動があるが、たいていは理由がある。
そしてだいたいケンコが正しいので、ますます信頼されていくのである。

「おはようございまいす、昨夜は……お楽しみでしたか？」

本作の主人公。 現在は失業中。
元は山岳写真専門のカメラマンだったが、会社の方針と合わず退職。

この度は学園時代の後輩だった女将に誘われて旅館へ逗留することになったが、
女将のせいで心海たちから “温泉旅館を建て直すプロ” と勘違いされてしまう。
そして、イタズラしてくる心海たちを追っ払う仕事をすることに。